鋳鉄バルブは一般の装置、設備用バルブとして広い分野で使用されています。当社の鋳鉄バルブは、鋳鉄バルブ専門工場で鋳造から徹底した品質管理のもとに生産され、設計・各部材料いずれにおいても高品質を追求した製品を提供しています。
KITZブランドで代表される当社の鋳鉄バルブは、建築設備の冷暖房、給排水、消火設備、配管ラインをはじめ、上下水道、水処理設備、環境保全および各種工場のプラント、付帯設備等に数多く採用され、高い評価をいただいております。
鋳鉄バルブ
高品質を追求するキッツの製造技術
バルブの品質を定める大きな要因に、鋳物の良否があげられます。圧力容器としての気密性はもちろん、加工精度を決定するのも、優れた鋳物といえます。KITZは、素材からの一貫生産体制を確立させていますが、「KITZ鋳鉄バルブ」も、伊那工場で鋳造から加工・組立まで内製化しており、徹底した品質管理が行われています。伊那工場の鋳鉄バルブ製造ラインは、高度に機械化・自動化された設備と、各種検査・試験装置を駆使し、優れた品質のバルブをお客様にお届けしています。
- 製造ライン
高性能の砂処理設備による品質の安定した砂を用い、自動高速高圧造型機により、精度が高く型崩れや変形のない鋳物型を連続して造り出す造型ラインです。
- 鋳造ライン
各種分析装置や測定器による溶湯管理、高性能電気誘導炉の導入、そして蓄積された鋳造技術により、寸法精度の高い鋳鉄鋳物が誕生します。
- 加工・組立ライン
ワンチャッキングですべての加工を完了するトランスファーマシンを導入した加工ライン。さらに各工程で徹底した検査が行われる組立ライン。これらがすべて自動化され、お客様が必要な製品を、必要な時に速やかに生産・納入できる体制が確立されています。
- FC300鋳造品も生産
JIS鋳鉄バルブに規定されるFC200の他に、KITZはより機械的強度に優れたFC250、FC300の鋳鉄バルブも生産しています。なかでもFC300製品は、KITZの高い鋳造技術を駆使して誕生する鋳鉄バルブで、標準生産する内ねじゲートバルブ( 製品記号:10FCHI)は、内ねじ式にもかかわらず0.7MPaの飽和蒸気に使用できます。
- デザインからも機能性を追求
KITZ鋳鉄バルブのボデー形状は流体圧力や配管応力を十分に考慮し、ボデー変形とこれによるシート漏れを防止する設計となっています。また、ハンドルも人間工学的見地から握り易さ、操作性を追求したデザインであり、材料も強度に優れたFC200(大きな呼び径はFCD400-15)を採用、耐久性が考慮されています。
ねずみ鋳鉄の機械的特性
諸 元 | FC200 | FC250 | FC300 |
---|---|---|---|
引張強さ (N/mm2) |
200以上 | 250以上 | 300以上 |
ブリネル硬さ (HB) |
223以下 | 241以下 | 262以下 |
外ねじ式と内ねじ式の構造の違い
外ねじ式ゲートバルブはステムねじ部が外から見える位置にあり、バルブを開くに従ってハンドルの高さは変らずにステムが上昇します。そのためステムの上昇の度合によってバルブの開度を外から確認することができます。
(製品記号5FCM、10FCL(S,U)、125FCL(S)がこれに相当します。)
外ねじ式グローブバルブの場合はステムとハンドルが一緒に上下します。
(製品記号10FCJ(S,U)、125FCJ(S)がこれに相当します。)
内ねじ式ゲートバルブはステムねじ部が常に本体の中に隠れており、バルブを開操作してもステムとハンドルは定位置にあって上昇せず、バルブの開度がわかりません。そのため内ねじ式ゲートバルブにはインジケータが取付けてあります。内ねじ式は外ねじ式に比べバルブ全体の高さが低く、しかもステムが上昇せず全開しても常に定位置にあるため、地下埋設管や限られた狭いスペースでの配管に適しております。
(製品記号10FCWI、10FCHI、125FCWI、) 125FCHIがこれに相当します。
-
見易いインジケータ
内ねじ式ゲートバルブには写真のようなインジケータが取付けてあります。全開・半開・全閉の3箇所に目盛りがあり開度がわかります。なお、これらのバルブは開閉操作時にもハンドルの高さは変わりません。
シート構造について
鋳鉄ゲートバルブのジスクシートにはねじ込み式と圧入式の2種類があります。JIS10K外ねじゲートバルブは高い温度の飽和蒸気に使用できるねじ込み式であり、JIS5K外ねじおよび10K内ねじゲートバルブは圧入式です。なお、内ねじゲートバルブ(製品記号:10FCHI)の場合は、特殊形状による強力圧入方式を採用して高い温度の飽和蒸気に使用できるようにしております。また、グローブバルブおよびスイングチャッキバルブは高い温度の飽和蒸気に使用できるねじ込み式です。
要部材料の種類
当社の鋳鉄バルブの要部材料には青黄銅(シートCAC406、ステムC3771BD)、ステンレス鋼(13クロム)、(18-8ステンレス)の合せて3種類のものを製作しており、流体の性質に応じて適したものを選んでご使用いただくことができます。特に蒸気配管に使用される場合は、弊社営業所までお問い合わせください。
また、ご要望により、要部材料を18クロム―12ニッケル―モリブデン鋼系にて製作可能です。
要部材料の色別表示
要部材料を外から見分ける事が出来るように、ネームプレートには色別表示がしてあります。
要部材料 | ネームプレート色、表示 |
---|---|
青銅 | 青色、B* |
13クロム鋼 | 橙色、CR13 |
18-8ステンレス鋼 | 緑色、304 |
*JIS認証バルブのみネームプレートが付きます。
-
鋳出し表示について
鋳鉄バルブの鋳出し表示はバルブの形状、表示面の広さなどの関係により多少の相違はありますが、次のように表示されています。