ボールバルブは流量特性、操作性、シール性など多くの優れた機能を有することから幅広い用途に使われています。そのシール材として主に使用されるのが、PTFEで、化学的に優れた特性を持っています。しかし、シール材が樹脂であるが故に変形・摩耗などの問題を抱えてお
りました。
「ハイパタイト®PTFEシート」は、当社が長年にわたりバルブ性能の改善に取り組んだ結果、開発されたボールシートで、従来のボールシートに比べボールバルブの寿命と使用範囲を一段と向上します。
ハイパタイト®PTFEは(株)キッツの登録商標です。
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当社が開発したボールバルブ用「ハイパタイト®PTFEシート」
従来の問題点
- 締切圧により二次側シートの永久変形(PTFEのコールドフロー)
- PTFEシートのモノマー流体の浸透による膨潤
- 異常昇圧によるシートの変形
材料面の改善
ハイパタイト®PTFEシートは以下の優れた特性を合わせ持っています。
- 260℃までの使用温度範囲
- 永久変形(コールドフロー)が少なく、優れた弾力性・復元性
- PTFEと同等の化学的安定性
- 特定モノマー流体の浸透に対する耐膨潤性
形状の特長
従来からボールシートの形状は、リップ型と呼ばれるものを使用していますが、ハイパタイト®PTFEシートも基本形状はほぼ同一です。リップ型シートはボールシートとして弾力性に富み、高いシール性と同時に操作性に優れています。
更にボールシート外径に数個の溝を設けて、一次側シートの背圧をキャビティーに逃がす機能を与えています。この機能がないと、高圧封止からの開放時に、一次側シートが大きく変形し損傷する場合があります。
変形量について
ハイパタイト®PTFEは、従来のPTFEに比べて変形量の少ない材料です。特に高温域ではその差が顕著に表れます。
図1・2に6.9MPa定荷重下での全変形量・永久変形量を示します。
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全変形とは
荷重がかかった状態で一定時間保持したときの変形量。
樹脂のやわらかさを示す指標のひとつ。 -
永久変形とは
荷重をのぞいた後で一定時間保持したときの変形量。
塑性変形のうけやすさを示す。もとにもどらなくなる変形。
※カタログP25